Update

- 2025/07/04
- UPDATE01
第16回 日本プライマリ・ケア連合学会 学術大会に参加して【学会参加助成制度を利用】
(広島大学病院研修医 恵下田 知秀)
このたびは日本プライマリ・ケア連合学会に参加する機会をいただき、誠にありがとうございました。初めての学会で戸惑うことも多くありましたが、総合診療医センターの皆様の温かいご支援のおかげで、学びの多い貴重な経験となりました。
会場に足を踏み入れた瞬間、その熱気と活気に圧倒されると同時に、ここに集う方々が私の目指すジェネラリストとして、第一線で活躍されているエキスパートであるという事実に胸が高鳴りました。
数ある興味深いセッションの中でも、特に印象的だったのは「がん患者が医学的根拠の乏しい代替療法を望んだとき、医療者はいかに対応すべきか」をテーマに、4名の演者がそれぞれの立場から語り合い、正解を模索する討論形式の発表でした。
がん患者の遺族の方が語った、告知を受けた瞬間の混乱や、不安の中で代替療法にすがってしまった理由、そして医師の立場から語られた「効果がありそうでも科学的根拠に乏しい治療を提供してよいのか」という葛藤に触れ、非常に深く考えさせられました。
中でも遺族の方の「世間で言われている”がんになっても慌てない社会”という理想がある一方で、どれだけ準備をしていても、いざ自分事となれば誰しも慌ててしまう。それならば“がんになっても安心して慌てられる社会”を目指すべきだ」という言葉が心に強く残りました。
今後、私も多くの患者さんと病気に向き合っていきます。その時はこの言葉を思い出し、患者さんに寄り添いながら共に最適な治療を考えていける医師になりたいと強く思います。
改めて、学会参加の機会を与えてくださった総合診療医センターの皆様に、心から感謝申し上げます。